世界三大ピアノの一つ「ベヒシュタイン」は
ドイツ人が率いるドイツメーカーのピアノです
ベヒシュタインの魅力
– 多くの著名な音楽家に愛されたドイツのピアノ –
ベヒシュタインは、1853年にカール・ベヒシュタインが創業したドイツのピアノメーカーです。スタインウェイ、べーゼンドルファーと並んで「世界三大ピアノ」の一つと言われています。創業当初から高い評価を受けていたベヒシュタインのピアノは、リストやブラームス、ドビュッシーなど偉大な音楽家に愛されてきました。その魅力は、透明感があり、歌うような音色にあります。
また繊細でありながらダイナミックさを合わせ持つのも、このピアノの特徴です。ピアニッシモからフォルティシモ、低音から高音まで、バランスの取れた音域設計で、弾き手が奏でたいと思うイメージに、忠実に応えてくれるでしょう。タッチした瞬間に反応するレスポンスのよさや和音の響きなど、材料の選定から加工まで、伝統に根差した職人たちの熟練技工、そして厳しい検査を通過してきたベヒシュタインだからこそ叶えられるピアノの表現を味わってください。
ピアノ音楽はベヒシュタインのためだけに書かれるべきだ。Claude Achille Debussy (クロード・ドビュッシー)
ベヒシュタインをおすすめする理由
1.日本のピアノ製造の礎となったベヒシュタイン
日本で初めて国産ピアノが製造されたのは1900年。その後、オルガンに代わって日本国内でもピアノの売れ行きが伸びてきた頃、国産ピアノの品質と製造技術を向上させるために、日本へ招聘されたのが、ベヒシュタイン社の技術者エール・シュレーゲルでした。シュレーゲルは、1926年から4年間にわたって、国内メーカーに技術指導をしました。部品が動いて”ただ音が出る”だけではなく、演奏者の視点に立ち、”より良い音楽が奏でられる楽器造り”を指導したのです。シュレーゲルを通してベヒシュタインの技術を取り入れることで、日本のピアノ造りの水準は一気に高まりました。
2.ドイツ最大のピアノメーカー
ベヒシュタインは、スタインウェイ、ベーゼンドルファーと合わせて「世界三大ピアノ」と呼ばれています。いずれも、19世紀から20世紀前半にかけて、偉大なピアニストから愛されたピアノメーカーです。
今日、多くのピアノメーカーがアジア資本に移り変わる中、ベヒシュタインは高級ピアノメーカーでは唯一のドイツ資本のメーカーです。創業からの伝統を引き継ぎ、マイスターの手仕事によって、一台一台のピアノと丁寧に向き合っています。親から子へ孫へと受け継がれていくベヒシュタインのピアノは、ヨーロッパでも高いシェアを誇ります。
3.鳴りの良いコンパクトモデル
ベヒシュタインは、高級ピアノメーカーの中でも、アップライトピアノにも力を入れている数少ないメーカーです。アップライトピアノの王様とも言われるベヒシュタインのピアノは、コンパクトなサイズでありながら、色彩豊かな音色と、繊細なタッチを持ち合わせています。他メーカーの同サイズのピアノと比較すると、歌うような美しい響きと音の伸びやかさに、きっと驚かれることでしょう。
4.豊富なラインナップ
ベヒシュタインは、これからピアノを始める初心者からプロの方まで、ベヒシュタインとホフマンの2つのブランドから、幅広い価格帯で豊富なラインナップをご用意しています。
ベヒシュタイン コンサート
弾き手の要求に応えられるように、妥協のないピアノ造りから生まれる、ベヒシュタインブランドの最高峰シリーズ。
ベヒシュタイン レジデンス
プロの要求に最も適うアップライトピアノシリーズ。
ベヒシュタイン アカデミー
時代のニーズに応えるため、伝統技術と現代技術を融合させ、価格帯を抑え、品質のバランスもとれた魅力あるシリーズ。
ホフマン プロフェッショナル
ベヒシュタイン・ヨーロッパの工場で一台ずつ手作業で仕上げられます。ベヒシュタインアカデミーへの導入としても最適なシリーズ。
ホフマン トラディション
ベヒシュタインが「高品質・低価格」のコンセプトで設計。ベヒシュタインのエッセンスを取り込みながら、価格的にも魅力あるシリーズ。
ホフマン ビジョン
ベヒシュタインピアノへの入門ピアノ。手頃な価格帯のヨーロッパピアノとして、コストパフォーマンスに優れたシリーズ。
ベヒシュタイン・ヒストリー
特に、フランツ・リストは「この28年間ずっと貴社のピアノを弾き続けてきたが、ベヒシュタインピアノはいつでも最高の楽器だった。」と評しています。当時、リストは一晩の演奏会で何台ものピアノを必要とするほど激しい演奏を行っていました。これを見たベヒシュタインは、繊細かつダイナミックな演奏にも対応できる堅牢なピアノを開発します。これをきっかけに「フランツ・リストの演奏にも耐えられるピアノ」として一躍著名になりました。その後、王室御用達となるなど高い名声を得ました。また、ベヒシュタインのピアノは、ドイツのみにとどまらず、アメリカ、アジア、イギリス、ロシアへも渡っています。
第二次世界大戦では工場が破壊されたことや、職人の確保が難しくなったことで、スタインウェイの後塵を拝するようになりました。その後、1962年ボールドウィン社の傘下を経て、1986年にドイツのピアノ製造マイスターであるカール・シュルツェが経営権を買い取り、ベヒシュタインはドイツ人の手に戻ってきます。さらに、ツィンマーマン、ホフマンのブランドを傘下におさめ、ベヒシュタイングループが設立されました。
クラシック音楽では、リストやブラームス、ドビュッシー、ラヴェル、スクリャビン、ラフマニノフ、バルトーク、ジャズではセシル・テイラーやチック・コリアなど偉大な音楽家にインスピレーションを与えてきた伝統あるドイツのピアノメーカーです。
ベヒシュタイン社の歴史
- 1826年
- 創業者カール・ベヒシュタイン誕生。
- 1853年
- ドイツ・ベルリンで工場を創業。最初のアップライトピアノを製作。
- 1856年
- 1台目のグランドピアノを製作。
- 1857年
- ハンス・フォン・ビューローがリストのロ短調ソナタ初演にピアノを使用。
- 1862年
- ロンドン万博で金メダルを受賞。
- 1880年
- グリューナー通りに第2の生産拠点をオープン。
- 1892年
- ベルリンにベヒシュタインホールをオープン。
- 1897年
- クロイツベルクライヒェンベルガーに第3の生産拠点をオープン。
- 1900年
- 創業者カール・ベヒシュタイン没。エドウィン、カール、ヨハネスの3人の息子たちが経営を担う。
- 1901年
- ロンドンにベヒシュタインホールをオープン。
- 1903年
- 創業50周年。年間4,500台製造。
- 1923年
- 形態が株式会社へ移行。
- 1931年
- ネオ・ベヒシュタインと呼ばれる実験的楽器を製作。
- 1945年
- 第二次世界大戦の空襲により、工場の大部分を焼失。アメリカの統治下に置かれる。
- 1951年
- アメリカによる統治が終了。工場の再開。
- 1953年
- 創業100周年。西ベルリンのチタニア・パラストで、バックハウスなどの有名アーティストのコンサートを開催。
- 1961年
- ベルリンの壁の建設により、ドイツ東西が分断され、労働力が不足する。
- 1963年
- アメリカのボールドウィン社がベヒシュタインの株を購入し始める。
- 1978年
- 創業125周年。クリスティアン・ツァハリアスなど有名アーティストによるコンサートを開催。
- 1986年
- ピアノ製造マイスターであるカール・シュルツェが、ボールドウィン社より経営を引き継ぎ、株を買い戻す。ベヒシュタインの新たなスタート。
- 1990年
- ホフマンブランドを所有する南ドイツのオイテルペ社を買収。
- 1992年
- ドイツ大手メーカーの一つだったツィンマーマンブランドと、その工場であるザイフェナースドルフの工場を買収。
- 1996年
- GmbHから株式会社へ移行。
- 1999年
- 会社の経営部門をベルリンに移し、ショールームとコンサートホール、オフィスを兼ね備えた”ベヒシュタインセンター”をオープン。
- 2003年
- 創業150周年を迎える。
- 2006年
- ウラディーミル・アシュケナージの支援のもと、初のベヒシュタイン国際ピアノコンクールを開催。同時に、並はずれたダイナミクスな響きを持つコンサートグランドD282は、大成功を収める。
- 2007年
- チェコのボヘミア社を吸収し、工場を整備・拡充。ベヒシュタイン・ヨーロッパとして、ベヒシュタイン社の子会社となる。
- 2008年
- 新たなシリーズであるW.ホフマンを再設計し、ベヒシュタイン・ヨーロッパで完全生産するようになる。
- 2013年
- 創業160周年。ビクトリア女王へ献上されたことで有名な黄金のピアノのレプリカを展示。
- 2016年
- 初のデジタルソフトウェア・インストゥルメントを扱うベヒシュタイン・デジタル社を設立。
- 2017年
- 新社長にステファン・フライムートが就任。