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名古屋ピアノ調律センター

調律

ご購入いただいた大切なピアノをきれいな音色に保つために、定期的な調律をお勧めしています。古くなったピアノ、他社で購入されたピアノ、どんなピアノでも構いません。一般家庭や各種コンサートなど公共ホールでのピアノ調律も承っています。

私たちは「ピアノアドバイザー」です。

名古屋ピアノ調律センターのスタッフはすべてピアノ調律師。お客様のためのピアノアドバイザーとして、ピアノの調律だけでなく、ピアノにかかわる様々なご相談などをお受けしております。

その中でもスタインウェイアカデミー*1修了者は現在5名在籍。コンサートの調律、公共ホールのピアノ管理、ご購入後のアフターケアなど、地域に密着したサービス活動を主体として、幅広いメンテナンス業務を行っております。

当社でピアノをご購入いただいていない方もお気軽にご連絡下さい。
きっと満足がいく様、スタッフ一同様々なご相談をお持ちしております。

*1)スタインウェイがコンサート技術者と認定する唯一の修了証

グランドピアノ調整作業過程

1. 各部清掃作業

ピアノ本体より鍵盤、アクション(内部機能)を取り出して掃除します。余計な汚れはトラブルの原因となりますので各部を分解しながら隅々まできれいにします。

  1. 鍵盤をすべて取り外します。
  2. 隅々まできれいにします。
  3. アクションも取り外し、ピアノ内部をきれいにします。

2. 棚板調整

アクションの乗っている鍵盤本体が、ピアノ本体にしっかりと設置しているか確認します。通常ベッティングスクリューという真鍮でできた、ねじのようなもので調整しますが、適切に設置していないと雑音や発音状態、この後の調整作業にも影響を与えます。

  1. 真鍮製のスクリューを回します。
  2. 適度な張り具合か確認し、調整します。
  3. アクションの土台を決める大事な作業です。

3. 鍵盤整調

1つの音の鍵盤は2本の金属ピンで支えられています。 その支える部分の両方共にクロス(布)が張ってありますのでその1つ1つが適切な硬さ、遊びになるように調整します。よく使ってあればこの部分が消耗しま すし、あまり使っていなく、湿気を受けた場合などは膨らんで鍵盤の動きが緩慢になります。

  1. 鍵盤のフロント側のクロスを調整します。
  2. バランス側のクロスも適度な硬さにします。
  3. バランスホールも適度な硬さにします。

4. 鍵盤高さ調整

一つ一つの鍵盤の高さを調整します。小さな穴の開いた薄い紙を出し入れして調整します。鍵盤の高さはタッチの基本部分ですので、すべての鍵盤をできるだけ均等に同じ高さに揃えます。

  1. すべての鍵盤が水平、平行かどうか確認します。
  2. 専用の紙パンチングを入れて高さを調節します。
  3. 見落としが無い様、慎重に確認します。

5. 弦合わせ

弦に対してハンマーが適切な位置に当たっているかどうかチェックします。メーカーにより異なりますが、一般的に3本弦の中心あたりにハンマーが当たるように調節します。特にグランドピアノではソフトペダル機能に影響を与えますので厳密に作業します。

  1. 弦とハンマーの位置関係を上から見て確認します。
  2. スクリューを回し間隔を調整します。
  3. すべて均等な間隔に揃えます。

6. ウィペン調整

ハンマーに対してウィペン(ハンマーを持ち上げ、弦に当てるための部品)が適切な位置にあるかどうか確認します。ずれていると力が余計な方向へ逃げたり、この後の作業に影響を与えたりします。

  1. アクションの後ろ側に周り、ねじを回して調節します。
  2. 鍵盤の動きが正確に伝わるよう、位置関係を確認します。

7. 打弦距離

弦からハンマーまでの距離を調節するこの作業は、弦を叩くまでのハンマー位置を決めるので音質感、タッチ感にも影響を与えます。通常その距離は約45mmから47mmです。

  1. 専用の工具で距離を測ります。
  2. 内部を覗き込み、確認します。
  3. すべての鍵盤を確認します。

8. ジャック位置調整

ジャックの高さ、前後位置を決めます。グランドピアノ特有の連続打弦機能に関わる作業です。ダブルエスケープメントと言われるこの部分が適切に調整されていないとタッチ感に不揃いが出たり、連打が効きにくかったりします。

  1. ジャックの位置関係を決めます。
  2. 小さなスクリューを回してジャックを前後させます。
  3. 上下関係も確認します。

9. ハンマー接近

ピアノの鍵盤はゆっくり押さえると音がでません。それ は前述のジャックが一定の位置へ来るとハンマーを持ち上げるのをやめる(外れる)ようにできているからなのですが、その位置を揃えるのがこの作業です。ハ ンマーの動きをゆっくり良く見ていると、弦に当たる直前で弦から離れていくのが分かります。

  1. 弦からハンマーが落ちる瞬間の距離までを測ります。
  2. ハンマーの動きを見て判断します。
  3. 確認しづらい作業なので注意深く行います。

10. 鍵盤深さ調整

鍵盤の深さを揃えます。深さの変更は、鍵盤の高さのときに使ったのと同じような穴の開いた紙で、1鍵1鍵同じ動きになる様調整し、深さは約10mmです。ピアニストはたったこの10mm鍵盤を動かすだけでいろんな音色を出します。

  1. 専用の工具で深さを測ります。
  2. 紙パンチングを出し入れします。
  3. タッチが揃うように調節します。

11. ドロップ調整

ハンマー持ち上げる動きの中で、最終的な動作を調整するこの作業は、他の部品の動きとも密接に関係しており、鍵盤を押さえた時のジャックの動き方に影響を与えます。

  1. ハンマーの動きをよく見ます。
  2. 小さなスクリューを回して調節します。

12. バックストップ

ハンマーが弦を叩いた後、その勢いでハンマーは戻ってきますが、その戻ってくる位置を決めるのがこの作業です。この位置、角度が適正だと、弱く叩いたときも強く叩いたときも、しっかりとハンマーは次の動作をすることができます。

  1. バックチェックワイヤーを曲げて調節します。
  2. 鍵盤を押さえながら調節します。
  3. ハンマーが落ちたときの高さが均等になるようにします。

13. スプリング調整

前述バックストップ作業でハンマーが固定された後、鍵盤を離したときのハンマーの戻り具合を調節します。強すぎたり弱すぎたりすると鍵盤のタッチ感、反応具合にも影響を与えます。

  1. ウィペンからスプリングを取り出します。
  2. スプリングが痛まないように適切に行います。
  3. タッチ感にとても影響を及ぼす作業です。

14. ペダル機能調整

ソフトペダル、ソステヌートペダル、ダンパーペダルが適切に動くかどうか調整します。特に音を止めるダンパーは、ダンパーの上がるタイミング、すべての音が同時に止まること、などが求められるので、音やタッチ感に影響があります。

  1. すべての音が同じタイミングで止まるようにします。
  2. スアクションの奥にある小さなスクリューを回して上下を調節します。
  3. ダンパーの不揃いは、後の整音作業にも影響します。

15. 調律

すべての音が適切な音程となるように調整します。バイオリンやギターなどが、演奏前に音を合わせることが必要なことと同じように、ピアノにも音がきれいに鳴る様にするための”調律”作業が必要になります。

  1. 約230本のすべてのチューニングピンを調節します。
  2. どんなピアノでも、調律は音律を決めるとても大切な作業です。
  3. 1音1音、丁寧にあわせます。

16. 整音

今度はすべての音が、同じ粒、質感で出るようにハンマーを調整します。具体的にはハンマーに針を入れたり、削ったりしますが、非常に繊細で、勘も必要な作業ですので熟練した技術者による調整が必要とされます。

  1. 必要な時のみ、針を刺して音を整えます。
  2. 3本の弦が一定に当たるように、ハンマーを少しだけ削ります。
  3. とても熟練した作業が必要になります。

すべての調整はその作業単独で成り立っているわけでなく、たくさんの調整ポイントと密接につながっています。それぞれの作業が最適な状態、関係のときに初めてピアノは最大限の能力を発揮しますので、調整作業 はピアノのコンディションを整えるためにも定期的に行う必要があります。

アップライトピアノ調整作業過程

1. 各部清掃作業

ピアノ本体より鍵盤、アクション(内部機能)を取り出して掃除します。余計な汚れはトラブルの原因となりますので各部を分解しながら隅々まできれいにします。

  1. 鍵盤下の汚れを取り除きます。
  2. 下パネルもはずしてきれいにします。
  3. 弦の汚れもできるだけとります。

2. 鍵盤整調

1つの音の鍵盤は2本の金属ピンで支えられています。 その支える部分の両方共にクロス(布)が張ってありますのでその1つ1つが適切な硬さ、あそびになるように調節します。よく使ってあればこの部分が消耗し ますし、あまり使っていなく、湿気を受けた場合などは膨らんで鍵盤の動きが緩慢になります。

  1. 鍵盤をはずします。
  2. 適度な硬さに調節します。
  3. もう一度本体にはめたときにがたつかないよう慎重に作業します。

3. 打弦距離

弦からハンマー(弦を叩くフェルト)までの距離を調節するこの作業は、弦を叩くまでのハンマー位置を決めるので音質感、タッチ感にも影響を与えます。通常その距離は約45mmから47mmです。

  1. ハンマーから弦までの長さを測ります。
  2. 経年変化で広くなっています。
  3. 適正な量に調節しました。

4. 弦合わせ

弦に対してハンマーが適切な位置に当たっているかどうかチェックします。3本弦の中心あたりにハンマーが当たるように調節します。1つの音に3本弦が張ってありますので、1本でも当たっていないと音むらが出てしまいます。

  1. ハンマーが左側にずれています。
  2. 3本弦の真ん中にくるようにします。
  3. すべてのハンマーが均等な間隔で並ぶようにします。

5. ウィペン調整

ハンマーに対してウィペン(ハンマーを持ち上げ、弦に当てるための部品)が適切な位置にあるかどうか確認します。ずれていると力が余計な方向へ逃げたり、この後の作業に影響を与えたりします。

  1. ウィペンの位置が悪いと打弦機能に影響を与えます。
  2. スクリューを回し間隔を調整します。
  3. すべて均等な間隔に揃えます。

6. キャプスタンボタン調整

鍵盤を叩く力が少しでも失われることが無いように隙間なく、適切な位置に来るように調節します。

  1. ワイヤーを曲げて間隔を調整します。
  2. キャプスタンを回し、高さを揃えます。
  3. 高さ、間隔とも均等な位置です。

7. 鍵盤高さ調整

一つ一つの鍵盤の高さを調整します。小さな穴の開いた薄い紙を出し入れして調整します。鍵盤の高さはタッチの基本部分ですので、すべての鍵盤をできるだけ均等に同じ高さに揃えます。

  1. 鍵盤の高さが低いものがあります。
  2. 紙パンチングを出し入れして高さを調節します。
  3. すべてを均等な高さにしました。

8. ハンマー接近

ジャックの高さ、前後位置を決めます。グランドピアノ特有の連続打弦機能に関わる作業です。ダブルエスケープメントと言われるこの部分が適切に調整されていないとタッチ感に不揃いが出たり、連打が効きにくかったりします。

  1. 経年変化で広くなっています。
  2. 丸いワイヤーを回して調節します。
  3. 通常1mmから2mmになるよう調節します。

9. 鍵盤深さ調整

鍵盤の深さを揃えます。深さの変更は、鍵盤の高さのときに使ったのと同じような穴の開いた紙で、1鍵1鍵同じ動きになる様調整し、深さは約10mmです。

  1. 鍵盤の深さが深くなっています。
  2. 紙パンチングを出し入れして調節します。
  3. 通常約10mmの深さに揃えます。

10. ハンマーストップ

ハンマーが弦を叩いた後、その勢いでハンマーは戻ってきますが、その戻ってくる位置を決めるのがこの作業です。この位置、角度が適正だと、弱く叩いたときも強く叩いたときも、キチッとハンマーは次の動作をすることができます。

  1. バラバラになっています。
  2. タッチが揃うように調節します。
  3. 均等にそろえました。

11. ブライドルワイヤー調整

ブライドルテープ、ワイヤーが左右に当たらず、適切な位置にあるかどうか調整します。ワイヤーがうまく設置されていないと雑音が出たり、ハンマーの動きに影響を与えたりします。

  1. 隣のワイヤーに干渉しています。
  2. ブライドルテープはハンマーの戻りを助けます。
  3. すべてをきれいにそろえてトラブルの原因をなくします。

12. ダンパー総上げ

ダンパーペダルを踏み込んだときにダンパーが同時に始動するように調整します。年月が経つと、どうしてもバラバラになってしまう箇所のひとつです。

  1. このダンパーワイヤーを曲げて調節します。
  2. 止音にがバラバラにならないようにペダルを踏みながら揃えます。
  3. すべてをそろえるとペダリングの機能が回復します。

13. ダンパー始動調整

鍵盤を押さえたときに、ダンパーが上がるタイミングを調整する作業です。タイミングが早すぎると、鍵盤が重く感じ、弾きにくく感じられてしまいます。

  1. このワイヤーを曲げて調節します。鍵盤側からは見えません。
  2. 1つ1つを隣のダンパーの動きに合わせていきます。
  3. タッチ感にとても影響を及ぼす作業です。

14. 調律

すべての音が適切な音程になるように調整します。バイオリンやギターなどが、演奏前に音を合わせることが必要なことと同じように、ピアノにも音がきれいに鳴る様にするための”調律”作業が必要になります。

  1. 約230本のすべてのチューニングピンを調節します。
  2. 弦の張力はおおよそ20トンほどあります。
  3. きれいな音になるよう合わせます。

15. 整音

今度はすべての音が、同じ粒、質感で出るようにハンマーを調整します。具体的にはハンマーに針を入れたり、削ったりしますが、非常に繊細で、勘も必要な作業ですので熟練した技術者による調整が必要とされます。

  1. 弦に溝がついています。
  2. フェルトを削ります。
  3. 弦溝は音質に影響します。

すべての調整はその作業単独で成り立っているわけでなく、たくさんの調整ポイントと密接につながっています。それぞれの作業が最適な状態、関係のときに初めてピアノは最大限の能力を発揮しますので、調整作業 はピアノのコンディションを整えるためにも定期的に行う必要があります。

ピアノの修理必要箇所の例と説明

A. 鍵盤ブッシングクロス交換

ピアノを弾くときに必ず触れる鍵盤は、テコの原理を使って動いており、公園のシーソーのような動 きをしています。1音の鍵盤には2本の金属ピンで支えられており、1本は鍵盤上下運動の支点のために、もう1本は左右にぶれるのを防ぐように使われていま す。その金属ピンを支える部分に、ブッシングクロスが使用されています。よく弾かれたピアノは、鍵盤の上下運動も繰り返し行ったために、金属ピンと擦れて クロスが消耗して、鍵盤に必要以上のがたつきが生まれてしまいます。その消耗したクロスを交換するのがこの作業です。交換した後はブッシングクロスと金属 ピンの隙間が適正かどうかチェックして、修正作業を全鍵盤に施します。

  1. 磨り減ったブッシングクロスを交換するために鍵盤から剥がしました。
  2. 鍵盤フロント部分のブッシングを張り替えます。
  3. バランス部分にも同様の処置をします。
  4. 張替え後の写真です。張り替えた後は、鍵盤を本体に取り付け後、再調整します。

B. バットスプリングコード交換

ハンマーバットスプリングを引っ掛ける“ひも”(バットスプリングコード)が劣化して切れやすくなっているため、交換します。
この紐が切れていると、バットスプリングの機能を果たすことができません。
その仕組みは、ピアノのハンマーは一度弦に当たった後、次の音を出すためにもう一度元の位置へ戻らないといけないのですが、グランドピアノと違ってアップ ライトピアノのハンマーは縦の位置についているためにハンマー単体では戻ることができません。その動きを補佐する役目を果たすのがバットスプリングとスプ リングコードです。ハンマーが元の位置に戻っていないために、演奏上、連打ができなくなるなどの不都合が生じます。また、ダンパーのある箇所ではスプリン グがダンパーレバーに干渉してしまうために、カチャカチャ雑音がする、引っかかって音が出なくなってしまった、などの症状が出ます。

  1. バットスプリングコードが劣化して切れています。
  2. きれいに取り外して、新しいコードを取り付ける準備をします。
  3. コード取替え後、ハンマーを取り付けて位置を再調整します。

C. ハンマー整形

ハンマーとは、弦を直接叩く部品ですので、音を出すにあたり、とても重要な部分となります。弦に触れる部分は、羊毛からできたフェルトですので、ピアノを弾くと、先端部分にだんだんと弦の溝がついてきます。この溝が深くなると、本来のピアノの音色が損なわれてしまいます。
これを直すには、フェルトを少しずつ削って、弦の溝をなくす作業を行います。その後、ハンマーと弦の当たり方を調整したり、針を刺してフェルトの硬さを調整するなど、整音を行うことで美しい音に戻していきます。
ハンマーの消耗が著しい場合や、過去に何度かハンマー整形をしている場合は、ハンマーの取り替え作業が必要となります。

  1. たくさん弾くほど、弦の溝が深くなっていきます。
  2. フェルトを削って溝をとり、ハンマーを平らできれいな状態にします。
  3. ムラなく美しい音にするため、整音を行います。

D. センターピン交換

ピアノの内部は、たくさんの部品が複雑に組み合わさっています。これらの部品と部品とをつなぐ関節部分に、たくさんのセンターピンが使われています。
湿気の影響や経年変化によって、関節が固くなりスムーズに動かなくなることがあります。すると、タッチの反応が鈍くなったり、タッチが重くなったり、時には音が出なくなってしまうこともあります。
反対に、関節がゆるすぎても、部品がガタガタと動いてしまい、動きが正確に伝わらなくなってしまいます。このような場合、センターピンを交換して、関節が適度な固さでスムーズに動くよう調整します。
特に、センターピンが原因でタッチが重くなってしまっている場合、作業前と作業後で驚くほどタッチが変わりますので、とても弾きやすくなります。

  1. 部品と部品の関節部分にセンターピンが使われています。画像矢印の部分です。
  2. これがセンターピン。太さ1.3mm前後が多く使われています。0.025mm刻みで、太さが何種類もあり、適切な太さを選んで交換していきます。
  3. 一度センターピンを抜き、新しく入れるセンターピンの太さを選び、クロスを適度な硬さに削ってから、新しいセンターピンを入れます。

E. 木口交換

鍵盤の手前の部分を木口(こぐち)と呼びます。古いピアノでは、木口が黄ばんできたり、茶色く変色してきたり、反ったり、はがれたりしてくることがあります。このような場合でも、木口だけはがして、新しいものに貼りかえることができます。白くきれいになるので、ピアノの印象がガラッと変わります。

  1. 経年変化により、木口が茶色く変色しています。
  2. 木口を新しく交換し、きれいになりました。

F. 弦サビ取り

長年放置されたピアノや、湿度の高い部屋に置いてあるピアノは、弦にサビが発生していることが多くあります。弦にサビが発生すると、ピアノの音色が損なわれてしまいます。それだけでなく、弦の耐久性が弱くなり、弦が切れる原因ともなります。

グランドピアノ修理再生工程

1. 外装をきれいに磨き上げます。

外装をきれいに磨き上げます。

2. ピアノの鉄骨フレームを取り外します。

フレームを塗装するために、きれいに磨き、塗装の下準備をします。

3. 古いニスを剥がし、響板がきれいになるよう塗装します。

古いニスをすべて剥がし、塗装をし直します。

4. 響板塗装が済んだ後、ピアノ本体に鉄骨フレームを取り付けます。

フレームは非常に重いので慎重に作業します。取り付けた後は、本体にねじ締めをします。

5. フレームを取り付けました。

美しく仕上がっています。

6. 弦を張ります。

ピアノの弦は張力が非常に強く、沢山の弦を張りますので、他の弦楽器に比べて時間、労力のかかる作業です。

7. アクション、鍵盤を取り付ける準備をします。

フェルトの取替えなどの下準備を行います。

8. 新しいハンマーを確認します。

音質感を決める重要な部品なので、取り付け前に再チェックをします。

9. ねじれ、走りなどを確認

アクションレールにハンマーシャンクを付けてねじれ、走りなどを確認します。

10. 新しいハンマーシャンクに、新しい羊毛のハンマーを取り付けます。

取り付け後の音質を考慮して、接着剤には伝統的な膠(にかわ)を使用しています。

11. すべてのハンマーを取り付けました。

ハンマーを取り付けた後、第一整音を行います。整音は、ここだけではなく、この後の作業でも何度か行います。ハンマーの取り付けが終わると、アクションをピアノに合わせる作業(整調)を行います。

12. すべての部品を取り付けて、再調整を行います。

ピアノは木材、フェルトなどを沢山使用しており取り付け時は変化が大きいので、何度も調整作業を繰り返します。

ピアノ修理再生の作業には約1〜2ヶ月かかります。音質に影響のあるパーツはすべて取り替えるため、作業後には新品同様の艶のある響きが蘇ります。