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グランドピアノ調整作業過程|名古屋ピアノ調律センター

グランドピアノ調整作業過程

(1)各部清掃作業

ピアノ本体より鍵盤、アクション内部機能を取り出して掃除します。余計な汚れはトラブルの原因となりますので各部を分解しながら隅々まできれいにします。

  1. 鍵盤をすべて取り外します。

    鍵盤をすべて取り外します。

  2. 隅々まできれいにします。

    隅々まできれいにします。

  3. アクションも取り外し、ピアノ内部をきれいにします。

    アクションも取り外し、ピアノ内部をきれいにします。

(2)棚板調整

アクションの乗っている鍵盤本体が、ピアノ本体にしっかりと設置しているか確認します。通常ベッティングスクリューという真鍮でできた、ねじのようなもので調整しますが、適切に設置していないと雑音や発音状態、この後の調整作業にも影響を与えます。

  1. 真鍮製のスクリューを回します。

    真鍮製のスクリューを回します。

  2. 適度な張り具合か確認し、調整します。

    適度な張り具合か確認し、調整します。

  3. アクションの土台を決める大事な作業です。

    アクションの土台を決める大事な作業です。

(3)鍵盤整調

1つの音の鍵盤は2本の金属ピンで支えられています。 その支える部分の両方共にクロス(布)が張ってありますのでその1つ1つが適切な硬さ、遊びになるように調整します。よく使ってあればこの部分が消耗しま すし、あまり使っていなく、湿気を受けた場合などは膨らんで鍵盤の動きが緩慢になります。

  1. 鍵盤のフロント側のクロスを調整します。

    鍵盤のフロント側のクロスを調整します。

  2. バランス側のクロスも適度な硬さにします。

    バランス側のクロスも適度な硬さにします。

  3. バランスホールも適度な硬さにします。

    バランスホールも適度な硬さにします。

(4)鍵盤高さ調整

一つ一つの鍵盤の高さを調整します。小さな穴の開いた薄い紙を出し入れして調整します。鍵盤の高さはタッチの基本部分ですので、すべての鍵盤をできるだけ均等に同じ高さに揃えます。

  1. すべての鍵盤が水平、平行かどうか確認します。

    すべての鍵盤が水平、平行かどうか確認します。

  2. 専用の紙パンチングを入れて高さを調節します。

    専用の紙パンチングを入れて高さを調節します。

  3. 見落としが無い様、慎重に確認します。

    見落としが無い様、慎重に確認します。

(5)弦合わせ

弦に対してハンマーが適切な位置に当たっているかどうかチェックします。メーカーにより異なりますが、一般的に3本弦の中心あたりにハンマーが当たるように調節します。特にグランドピアノではソフトペダル機能に影響を与えますので厳密に作業します。

  1. 弦とハンマーの位置関係を上から見て確認します。

    弦とハンマーの位置関係を上から見て確認します。

  2. スクリューを回し間隔を調整します。

    スクリューを回し間隔を調整します。

  3. すべて均等な間隔に揃えます。

    すべて均等な間隔に揃えます。

(6)ウィペン調整

ハンマーに対してウィペン(ハンマーを持ち上げ、弦に当てるための部品)が適切な位置にあるかどうか確認します。ずれていると力が余計な方向へ逃げたり、この後の作業に影響を与えたりします。

  1. アクションの後ろ側に周り、ねじを回して調節します。

    アクションの後ろ側に周り、ねじを回して調節します。

  2. 鍵盤の動きが正確に伝わるよう、位置関係を確認します。

(7)打弦距離

弦からハンマーまでの距離を調節するこの作業は、弦を叩くまでのハンマー位置を決めるので音質感、タッチ感にも影響を与えます。通常その距離は約45mmから47mmです。

  1. 専用の工具で距離を測ります。

    専用の工具で距離を測ります。

  2. 内部を覗き込み、確認します。

    内部を覗き込み、確認します。

  3. すべての鍵盤を確認します。

    すべての鍵盤を確認します。

(8)ジャック位置調整

ジャックの高さ、前後位置を決めます。グランドピアノ特有の連続打弦機能に関わる作業です。ダブルエスケープメントと言われるこの部分が適切に調整されていないとタッチ感に不揃いが出たり、連打が効きにくかったりします。

  1. ジャックの位置関係を決めます。

    ジャックの位置関係を決めます。

  2. 小さなスクリューを回してジャックを前後させます。

    小さなスクリューを回してジャックを前後させます。

  3. 上下関係も確認します。

    上下関係も確認します。

(9)ハンマー接近

ピアノの鍵盤はゆっくり押さえると音がでません。それ は前述のジャックが一定の位置へ来るとハンマーを持ち上げるのをやめる(外れる)ようにできているからなのですが、その位置を揃えるのがこの作業です。ハ ンマーの動きをゆっくり良く見ていると、弦に当たる直前で弦から離れていくのが分かります。

  1. 弦からハンマーが落ちる瞬間の距離までを測ります。

    弦からハンマーが落ちる瞬間の距離までを測ります。

  2. ハンマーの動きを見て判断します。

    ハンマーの動きを見て判断します。

  3. 確認しづらい作業なので注意深く行います。

    確認しづらい作業なので注意深く行います。

(10)鍵盤深さ調整

鍵盤の深さを揃えます。深さの変更は、鍵盤の高さのときに使ったのと同じような穴の開いた紙で、1鍵1鍵同じ動きになる様調整し、深さは約10mmです。ピアニストはたったこの10mm鍵盤を動かすだけでいろんな音色を出します。

  1. 専用の工具で深さを測ります。

    専用の工具で深さを測ります。

  2. 紙パンチングを出し入れします。

    紙パンチングを出し入れします。

  3. タッチが揃うように調節します。

    タッチが揃うように調節します。

(11)ドロップ調整

ハンマー持ち上げる動きの中で、最終的な動作を調整するこの作業は、他の部品の動きとも密接に関係しており、鍵盤を押さえた時のジャックの動き方に影響を与えます。

  1. ハンマーの動きをよく見ます。

    ハンマーの動きをよく見ます。

  2. 小さなスクリューを回して調節します。

    小さなスクリューを回して調節します。

(12)バックストップ

ハンマーが弦を叩いた後、その勢いでハンマーは戻ってきますが、その戻ってくる位置を決めるのがこの作業です。この位置、角度が適正だと、弱く叩いたときも強く叩いたときも、しっかりとハンマーは次の動作をすることができます。

  1. バックチェックワイヤーを曲げて調節します。

    バックチェックワイヤーを曲げて調節します。

  2. 鍵盤を押さえながら調節します。

    鍵盤を押さえながら調節します。

  3. ハンマーが落ちたときの高さが均等になるようにします。

    ハンマーが落ちたときの高さが均等になるようにします。

(13)スプリング調整

前述バックストップ作業でハンマーが固定された後、鍵盤を離したときのハンマーの戻り具合を調節します。強すぎたり弱すぎたりすると鍵盤のタッチ感、反応具合にも影響を与えます。

  1. ウィペンからスプリングを取り出します。

    ウィペンからスプリングを取り出します。

  2. スプリングが痛まないように適切に行います。

    スプリングが痛まないように適切に行います。

  3. タッチ感にとても影響を及ぼす作業です。

    タッチ感にとても影響を及ぼす作業です。

(14)ペダル機能調整

ソフトペダル、ソステヌートペダル、ダンパーペダルが適切に動くかどうか調整します。特に音を止めるダンパーは、ダンパーの上がるタイミング、すべての音が同時に止まること、などが求められるので、音やタッチ感に影響があります。

  1. すべての音が同じタイミングで止まるようにします。

  2. アクションの奥にある小さなスクリューを回して上下を調節します。

  3. ダンパーの不揃いは、後の整音作業にも影響します。

(15)調律

すべての音が適切な音程となるように調整します。バイオリンやギターなどが、演奏前に音を合わせることが必要なことと同じように、ピアノにも音がきれいに鳴る様にするための”調律”作業が必要になります。

  1. 約230本のすべてのチューニングピンを調節します。

    約230本のすべてのチューニングピンを調節します。

  2. どんなピアノでも、調律は音律を決めるとても大切な作業です。

    どんなピアノでも、調律は音律を決めるとても大切な作業です。

  3. 1音1音、丁寧にあわせます。

    1音1音、丁寧にあわせます。

(16)整音

今度はすべての音が、同じ粒、質感で出るようにハンマーを調整します。具体的にはハンマーに針を入れたり、削ったりしますが、非常に繊細で、勘も必要な作業ですので熟練した技術者による調整が必要とされます。

  1. 必要な時のみ、針を刺して音を整えます。

    必要な時のみ、針を刺して音を整えます。

  2. 3本の弦が一定に当たるように、ハンマーを少しだけ削ります。

    3本の弦が一定に当たるように、ハンマーを少しだけ削ります。

  3. とても熟練した作業が必要になります。

    とても熟練した作業が必要になります。

すべての調整はその作業単独で成り立っているわけでな く、たくさんの調整ポイントと密接につながっています。それぞれの作業が最適な状態、関係のときに初めてピアノは最大限の能力を発揮しますので、調整作業 はピアノのコンディションを整えるためにも定期的に行う必要があります。

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